前回の記事でも書いたように、息子には花粉症と猫のアレルギーがあります。
もしかして季節性のアレルギーがあるのかな、と最初に感じたのが3歳ごろ。
息子は冬から春になる時期に、身体中を掻きむしるようになるんです。
足にも腕にも掻きむしった痕が広くつき、腕や足を出す時期にも治らない。
私も夫もきつい花粉症アレルギーを持っていることから、息子もそうだろうな、と感じていました。
今回は、子どものアレルゲン免疫療法(減感作療法)について書いていきます。
減感作療法は抗原特異的免疫療法とも呼ばれ、花粉の抽出液を、最初は 濃度を下げて薄くしたものを注射して、その後少しずつ濃度を上げて注射し、 花粉抗原に対する防御する免疫を獲得させる方法です(実際の方法は花粉症 の季節の3か月以上前から始め、2年以上続けることが必要です。
厚生労働省「花粉症 的確な花粉症の治療のために」
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小児科でアレルギー検査
私と夫はHNO(耳鼻咽喉科)でアレルギーテストをしたのですが、息子は小児科でしました。
テストの方法はプリックテスト。
腕の表面に僅かに傷をつけて、花粉のエキスなどを垂らして反応を見る、皮膚反応検査です。
テストされたのは、ドイツで一般的な花粉と犬・猫、そしてハウスダストです。
息子の場合は、Birke(カバノキ、代表は白樺)とHasel(ハシバミ、代表はセイヨウハシバミ)、そして猫に反応が出ていました。
*この時、付き添っていたのは夫。後に小児科にもらったというアレルギーパスなるものを受け取りました。見ると、上記の3つ以外にも何かアレルギーがある…。しかし読めない(ドイツあるある)。今度小児科で確認したら、このあたりの情報はアップデートしておきます。
アレルギーはあるけど、症状が出たら薬を飲むよう言われる
アレルギーパスをもらうほど、きつめの花粉症だった息子。
体を掻きむしるのも、どうやらアレルギーによるものだとわかりました。
この時点で息子は5歳。
私も夫も花粉症の免疫療法(減感作療法)をしていたので、小児科でも息子にしてもらえないかと聞いてみました。
しかし、答えは「まだ早い」。
その小児科では免疫療法は6歳以上からしかしていないとのこと。
HNOでも聞いてみましたが、そこではさらに遅い9歳以上から、と言われました。
そのため、せっかく花粉症であることがわかったのに、体を掻きむしるという行動が出てから薬を飲ませるという後手の対応しかできませんでした。
ちなみに息子に飲ませていたのは、抗ヒスタミンのシロップです。
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日本にいる甥の場合〜舌下免疫療法
甥っ子(姉の子)は息子より2歳上。
この子もアレルギー持ちの子で、体がかさついたり、目が痒かったりという症状を持っていました。
姉は甥が幼稚園児のうちから小児科に相談していたらしく、甥はすでに舌下免疫療法4年目。
日本では、花粉症などのアレルゲン免疫療法は5歳以上からできるそう。
舌下免疫療法は、アレルゲンの入った薬を舌の下に入れて少しずつ体内にアレルゲンを入れていく方法です。
徐々にアレルゲンを体内に入れることで、アレルギー反応を弱めていきます。
姉に聞いたところによると、甥の担当医は最初から、免疫療法は舌下を勧めていたそう。(このほかには注射をするタイプがあり、息子はこちらのタイプです*後述。)
舌下免疫療法は毎日同時刻にタブレットを摂取
毎日同時刻に薬を摂取するのは、日本でもドイツでも同じです。
これってなかなか難しいと思うのですが、甥は頑張っています。
薬を1粒、舌の下に入れて1分待ち、それから飲み込む。
5分間は飲食禁止です。
甥の場合は、スギ花粉用の薬とハウスダスト用の薬を摂るので、少し時間がかかります。
スギ花粉用の薬を飲んだらそこから5分待たないと、ハウスダスト用の薬を摂取してはいけないのだとか。
子どもにとって、この待ち時間はけっこう苦痛だと思います。
でも甥の担当医によると、「注射をする方が負担だと思う。薬の方が楽だから、注射は日本ではメジャーじゃないよ」とのこと。
最初から舌下でしか免疫療法を進められなかったようです。
調べたところ、日本での舌下免疫療法は、スギ花粉症とハウスダスト(ダニ)アレルギーの薬にのみ保険が適用されるそう。(2023年3月現在)
それもあって、担当医は最初から舌下免疫療法での治療を勧めたのかもしれないですね。
味はどうなの?
シダキュア(スギ花粉用)はあんまり味がしない。けど、おいしくもない。何の味って言われても表現できないなぁ。
ミティキュア(ハウスダスト用)はほんのちょっと苦い。
料金は?
市町村によって違うからはっきりとは言えない。うちの市は、小学生の間は1ヶ月1医療機関ごとに500円。診療代と薬代込みだよ。子どもの医療費が完全無料の自治体もあるし、高いところもあるし、まちまちだね。
治療期間はどれくらい?
3年で終わる予定だったけど、今はダメ押しで4年目だよ。
通院頻度は?
薬は1度に4週間分もらえるよ。無くなりそうになったらもらいにいくけど、本人が行く必要はないから、毎月診察に通うようなことはないよ。
ドイツにいる息子の場合〜皮下免疫療法(注射)
バタバタしている間に年月が過ぎ、息子はいつの間にか7歳になっていました。
小児科での免疫療法が解禁される年齢が過ぎ、担当医に相談しました。
毎年春先になると身体中をかきむしり、目を擦り、くしゃみがひどい。
体は乾燥して、ボディクリームを塗ってあげるけれど、掻きむしった傷口に染みて泣き喚くんです。
なんとかこれらの症状を軽減してあげたいと、かなり熱くお願いしました。
プリックテストの結果も担当医は知っているので、2023年1月、いよいよ免疫療法をすることに。
このブログを書いている時点で、まだ2ヶ月しか経過していません。
息子が行っている小児科でも舌下免疫療法はしていましたが、担当医のおすすめは注射。
注射での免疫療法は、指定された期間に通院が必要
私も夫も注射での免疫療法をしていること、それを息子も見た経験があること、毎日同時刻の薬摂取は難しいことなどを考慮し、息子は注射での免疫療法を選択しました。
注射のわずかな痛みはありますが、毎日自分で管理が必要な舌下とは違い、注射は小児科に通うだけ。
通院時に次回の予約を入れる時に、日付をきちんとコントロールしてもらえるんです。
月に1回、小児科に通えばいいだけなのですから、我が家にとっては注射の方が負担が少ないと判断しました。
医院での注射後は、ショック症状などの体調の異変を確認するため、30分は医院で待機するように言われます。
痛みはどうなの?
注射をする時はちくっとするけど、その時だけだよ。
あら、うらやましい。私は注射したらすぐに痒みが出て大変なのに。(私の話はまた後日)
料金は?
全額保険適用だから自己負担ないよ。
治療期間はどれくらい?
短くて3年だって。絶対やめないでねーって言われたよ。
甥は3年で効果が感じられると言ってたけど、息子はどうなるかな?私は多分延長になりそう…。(この話も後日)
通院頻度は?
最初の数回は2週間ごと。その後は4〜5週間ごとに通院するよ。
日本の医療費の地域差に驚き
娘のアレルギーの記事に続いて息子のことも書こうと思い、比較対象として姉に色々と聞いてみました。
姉から「医療費は地域ごとに違う」と聞いたので、自分でも調べたところ、あまりも違いすぎるので驚きました。
『子どもの医療費』といっても、対象となる年齢が小学生までであったり、中学卒業までであったり、18歳の年度末であったりとバラバラです。
一方で、多くの自治体で言えることは、子どもの年齢が低い方が医療費が安い(または無料)ということでした。
日本での舌下免疫療法は5歳から受けられるクリニックが多いようです。
数年間治療が必要なアレルギーの免疫療法。
最近はアレルギーの子どもたちも増えてきています。
できるだけ早いうちに始めると、子どもにとってもお財布にとっても優しくなれるかもしれませんよ。
治療開始は適切な時期に
花粉のアレルギーの場合は、その花粉が飛び出す(少なくとも)3ヶ月前までには開始する必要があります。
今この時期に大変だからすぐに治療を開始したい、と思ってもそれはできません。
花粉の飛散が落ち着いてから、次のシーズン以降に向けて治療を開始します。
アレルギーテスト自体はいつでも受けられるので、子どもがなんだか痒そう、と気になる人はまずテストを受けてみてはどうでしょうか。
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