お子さんにテレビ見せてますかー!?
え、罪悪感がある?
え、目が悪くなる?
いやいやいやいや。すみません、我が家はめっちゃ見せてます。
その理由はたったひとつ。
「日本語話者が母親1人しかいないこの環境では、語彙の習得には限界があるから」
語彙やイントネーション、語尾の使い分けなど、テレビから得られる情報はすごいものがあると思っています。
*絵本の読み聞かせなど、親子の時間を使って日本をインプットしたり、会話する時間を多くとって、アウトプットする習慣をつけておくのは大前提での話です。
*この記事は、海外で子育てをしているイチ日本人の意見です。決して専門家の意見ではありません。
関西弁を話す親に「〜じゃん」を言う娘

耳を疑いましたね、我が娘が「いいじゃんいいじゃん」を言い出した時は。
私は子どもにテレビアニメを見せている時はそばにいないことが多いので、そのテレビの登場人物たちがどんな会話をしているのかは気にしていませんでした。
そしてある日、私が娘に何かを強く注意した時に、彼女は突然言ったのです。
「いいじゃんいいじゃん、ぷっぷくぷー」と!
これは…!!まるちゃん!!
そう、娘はみんな大好き(?)ちびまる子ちゃんを見ていてこの言葉を習得していたのです。
日本語を聞かせるのは歌からでもテレビからでも
我が家の子どもたちにとって、聞き慣れている日本語は私が話す関西弁。
だから彼らが話す言葉も自然と関西弁になるはずだとそう思っていました。
ところが、実際に彼らが話すのは関西弁混じりの標準語なのです(関西人の意見です。関東圏の人からすれば関西弁にしか聞こえないかも…)。
時々テレビで日本語アニメを見せ、寝る時には日本語のお話が入っているオーディオブックを聞かせ、読み聞かせの時はなぜか標準語(関西基準)アクセントで読み、それらが重なった結果、子どもたちは関西弁ではない日本語を話すようになったのです。(関西人が読み聞かせをする時はなぜか標準語アクセントになるのはあるあるじゃないですか?)
母の「あかんやん」はまる子の「だめじゃん」と同じ意味

日本語のテレビを見出したのは、息子が3歳になるかならないかの頃から。
2歳下の娘は1歳ごろから日本語のテレビを見ているわけです。
ですから、我が家の子どもたちはきちんと日本語で何を言われているのかは理解できる。
海外で日本語ワンオペ(こんな言葉ないか)の環境にいるにもかかわらず、それなりの語彙力はあります。
いつの間にか「あかん=だめ」「しゃあないな=しかたないね」「ちゃうやん=ちがうよ」などなど、語尾の違いだけではない関西の言葉と標準語の言葉を結びつけられるようになっていました。
そこで、思うんです。
テレビって、海外で日本語教育をするにはすごくよい教材なんじゃないかって。
海外の青少年たちもアニメで日本語を学ぶくらいですもんね。
子どもに見せたくないアニメはクレヨンしんちゃんとか言うけれど

我が家の子どもたちにアニメを見せるに当たって、気を付けなければいけないことがあります。
繊細な息子は急に大きな声を出したり、怖いシーンがあったりするアニメがダメです。音楽で恐怖心を煽るようなものもだめ。
例えば、となりのトトロは「お父さんがお風呂で急に大きな声で笑うから」無理。泣きます。
ドラえもんは、「ジャイアンが理不尽にのび太を殴るから」ダメです。泣きます。
ディズニー全般は、「必要以上に音楽で怖がらせるから」逃げます。隠れています。
色々なアニメを見せた結果、息子が最初に気に入ったのはクレヨンしんちゃんでした(映画は悪者が出てくるから無理です)。おかげでここ数年、息子の一人称は「おら」です。
昔はどうしてあんなにクレヨンしんちゃんが批判されていたのでしょうかね。子どもに見せたくないアニメに選ばれるほどに。
クレヨンしんちゃんってむしろ優良アニメ

クレヨンしんちゃんって、とても平和だし、日本文化や行事を知れるし、家族の仲はいいし、何より幼稚園の生活がわかるし、小さな子どもにとってとてもよい教材になると思うんです。
そして言葉使いも悪くない!しんちゃんのお父さんは、まるちゃんのお父さんみたいに「うっせーなー、お前!」とか言いませんしね。
最近息子に「うっせーっつーの!ほっとけよ!!」と言われたことに非常に傷ついたので、ちびまる子ちゃんの父ひろしを少し恨んでます。笑 どこで知った言葉なのかと聞いたら、ちびまる子ちゃんからでした。あんな平和なアニメから暴言を学ぶなんて、思ってもいませんでした。
海外で視聴できる日本語の番組が増えてきた

ドイツのNetflixやAmazon Prime Videoでも日本語の番組が増えてきましたね。
スタジオジブリのアニメが解禁された時は、在独日本人の歓喜の声が溢れました。
アニメだけじゃなく、バラエティやドラマも少しずつ増えています。
ドイツでは去年からNetflixで「はじめてのおつかい」が見れるようになり、子どもたちは日本の子どもたちのがんばりに釘付けでした。
最近は「まいこさんちのまかないさん」で、こたつがアニメだけじゃなく本当にあるものなんだ、と知って興奮していました。
ドイツのNetflixで見られる幼児向けのおすすめ番組
我が家の子どもたちが、2歳から5歳くらいまでの間によく見ていた番組です。全て日本語に切り替え可能。
- チップとポテト
パグの女の子チップが幼稚園に入園。そこで起こる毎日の生活のお話。ポケットにはねずみのポテもがいつも一緒。 - ウーナとババの島
パフィン(ニシツノメドリ)の女の子ウーナとその弟ババ。弟の面倒を見ながら、島のお友達と遊ぶ日常が描かれる。 - ドラゴン レスキューライダーズ
小さい頃にドラゴンに助けられたダックとライラ。仲間のドラゴンと一緒に住むことになったハッツゲイローという村で、困っている人々やドラゴンたちを助けるお話。 - ユーフー しゅつどう!
キャプテンのユーフーを中心とした仲間たち。困っている動物がいたら、世界中のどこへでも行って問題解決のお手伝い。さまざまな動物の生態を知れる。 - オクトノーツ
海の平和を守るチーム、オクトノーツ。海底の生き物や火山の話など、海の中の不思議が描かれる。 - ツリーハウスたんていだん
くまの兄妹を中心にしたツリーハウスたんていだん。自然の中でおこる不思議なことを「事件」に見立てて、謎ときをしながら解決する。 - ストーリーボットにきいてみよう
「どうして空はあおいの?」「なぜかぜをひくの?」など、日常生活で感じる不思議を5体のストーリーボットたちが解決。 - イジーとコアラのせかい
実写。オーストラリアのコアラ保護地区に住むイジーが、怪我をしたコアラたちを治療して自然に戻すまでのお話。コアラの生態がわかる。 - マジックスクールバス リターンズ
昔日本でも見ることができたマジックスクールバスの新バージョン。フリズル先生がクラスの生徒たちに科学の面白さを教えてくれる。小学校低学年にも。
日本語環境を作るには、できればVPNを使って日本のVODを

前回の記事で紹介しましたが、我が家はNordVPNというVPNサービスを使っています。
ドイツからでも日本のVPNサーバーにつなげることで、我が家はNetflixやAmazon Prime VideoなどのVOD(ビデオオンデマンド)を視聴しています。(*NetflixとDisney+はアカウントを1つ作ればそれが世界中で有効ですが、Amazon Prime Videoは別。日本のAmazonでPrime会員になる必要があります。)
ドイツ版でも日本語に切り替えられることもありますが、数はそれほど多くありません。
Disney+は日本語字幕のものが多く、日本語を聞いて欲しい私としては非常に物足りません。
こうなるとやはりVPNの出番。
たまにVOD側に嫌われてアクセス拒否をされることもありますが、NordVPNの中の人も頑張ってすぐ復旧をしてくれます。
日本語の番組をたくさん見せたい、という人はVPNの利用がおすすめです。
私自身が日本のドラマやバラエティが見たくなったら、VPNを使ってTverに繋いでいます。
日本のアニメ、子どもの反応と親の感想
VPNを使って日本のVDOを見ているものを紹介。ただアニメを見せるだけでなく、そこから何を学べるかが大事だと感じてます。
ちびまるこちゃん

まるちゃんのお父さんなんであんなに偉そうなの。「おい、酒もってこい!」なんてお母さんにあんな言い方嫌い。「うっせー」とか「ばーか」とか言ってた。

いろんな人の話し方や日本の生活を知れるけれど、なによりひろし(まるこ父)の話し方が乱暴すぎ。息子がものすごく乱暴な話し方をするのは全部ひろしのいい回し!
ゲゲゲの鬼太郎

最初は怖かったけど、鬼太郎はかっこいい。下駄履いてるし。妖怪いっぱい出てきておもしろい。

怖がって泣くかな、と思ったけど意外と気に入ったみたい。いろいろな種類の妖怪が出てきて、妖怪図鑑を欲しがるようになった。昔の日本の雰囲気が見れるのもいいみたい。
ドラえもん

便利な道具がいっぱいあっていいなぁ。でも、ジャイアンが出てくるところは嫌い。すぐのび太くんを殴ったり嫌なことをしたりする意味がわからない。出てくる人たちが怒ってることが多い。

繊細な息子には、ジャイアンが理不尽にのび太を殴る絵は耐えられないみたい。ジャイアンがちょっと大きな声をだしてのび太に絡み出しただけで泣いてしまう。ほかにも学校の先生やお母さんなど、のび太くんを怒る人が多いので、見ていてつらいらしい。
ワンピース

ゴム人間なのは面白いけど、怖い人が多すぎていや。

海賊が好きだから見せてみたけど、海賊がいっぱい出てきてワーワーしている序盤でかなり苦手意識を出していた。
名探偵コナン

事件がいつも起こるね。もっと平和になればいいのに。コナンくんに薬を飲ました人たちは悪そうだからもう出てきてほしくない。

メガネをかけることになったけれど気持ちが乗らなかった息子に選んだアニメ。メガネは賢そうだから気に入ったみたい。
妖怪ウォッチ

出てくる妖怪はみんな可愛かったりヘンテコだったりで全然怖くないよ。歌がおもしろいから好き。

妖怪は気になるけど鬼太郎は怖がる娘のために。妖怪に詳しくなるかと思ったけど、想像してたような日本古来の妖怪とは全く違う…?
クレヨンしんちゃん

おらの一番すきなアニメ!!しんちゃんはおもしろいし、優しいし大好き!かあちゃんはおこりんぼだけどおもしろいし、とうちゃんは優しい。みんな仲良しでおもしろい。

クレヨンしんちゃんを見て以来、息子の一人称が「おら」に。クレヨンしんちゃんは言葉遣いも悪くないし、いろんな食べ物や行事も出てくる。幼稚園生活も見れるから、興味深いらしい。我が家では一番安心して見せられるアニメになったかも。
イチオシはNHK for School

子どもの教育番組といえば、やはり安定感のあるNHK。
NHKオンデマンドは有料、NHK プラスは無料ながらVPNで日本のサーバーに繋ぐ必要があります。
しかし、NHK for SchoolならVPNなしでも既に放送された番組を見ることができます。
もちろん全てではありませんが、かなりの数が視聴可能。
人気のピタゴラスイッチや、「ウクライナの現状を考えるコンテンツ」など、幅広く見ることができますよ。
アプリを使用する場合は日本国内からしかダウンロードできませんが、ブラウザ版ならVPN不要・無料で利用できます。
テレビを上手に使って語彙を増やそう

息子が小学校にあがってからというもの、テレビを見る時間は幼稚園時代に比べて減りました。
テレビを見ている時間があまりない、というのが大きな理由ですね。
それでも、もしテレビを見る時間があるのなら、私はできるだけ日本語のものを見せる様にしています。
年齢があがるにつれて子どもが見たい番組と私が見せたい番組には差が出てくるかもしれない、とは思っています。
正直言うと、私は子どもたちが「吉本新喜劇」を楽しんで見れるような人になって欲しい。笑
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