ピーナッツアレルギーの治療、順調です

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ドイツで子育て

以前、娘のピーナッツアレルギーについて軽く触れました。(ブログ更新が久しぶりすぎる…。)

幸いにも近隣の市の病院でピーナッツアレルギーの減感作療法がおこなえることを知り、アポをとってから治療開始。

1年近く治療を受けてきた、娘の現在の状況を書いてみます。

ピーナッツアレルギー検査をするまで

日本語が書かれているけれど台湾で作られている

娘が初めて大きな反応を見せたのは、ピーナッツの粉をきな粉の変わりにまぶしたようなお餅を食べた後です。

その時はまさかピーナッツアレルギーだとは思わず、咳き込む娘を見ながら「気管に粉が入ったかな」と考えていました。

娘は1個を食べ終わらずに咳き込み、その後は食べず。

その様子を見て、「好みではない食べ物なんだな」としか認識していませんでした。

仕事から帰宅した夫にその話をすると、夫はそのお餅の箱を確認。

「とりあえずピーナッツを避けよう」と言い、幼稚園にもその話をしました。

ただ、当時は娘が幼かったこともあり、小児科で相談しても詳しい検査はしてもらえず

目が行き届かない場所で

寝る

ある日、幼稚園から戻った娘が倦怠感を訴え、そのまま眠り込んだことがありました。

ベッドで寝ていたはずの娘の泣き声で駆けつけると、嘔吐をしていました。

シャワーをするために服を脱がせると、全身が真っ赤。

白目まで充血していて、明らかにアレルギーの反応でした。

幼稚園で食べたものの詳細を聞いてみると、ピーナッツの粉末がかかったチップスがあったそう。

チップス自体は食べていなかったらしいのですが、そのチップスを触った別の園児がそのまま近くのお菓子を触り、それを娘が……ということが疑われました。

ピーナッツが怪しいということは感じていたものの、確信がなかった当時。

私たちの目の届かない範囲で、同じようなことがまた起こらないとは限りません。

この先の生活環境に不安を覚えました。

そこで、小児科でかなり強めにピーナッツアレルギーの検査をしてもらうようにお願いしました。

小児科でのピーナッツアレルギー診断後

小児科では、ピーナッツとヘーゼルナッツのプリックテストをしてもらいました。

結果、ヘーゼルナッツにはわずかな反応。

しかし、ピーナッツには遠目でもわかるほどの腫れと赤みが現れました。

娘にはかなり深刻なピーナッツアレルギーがある、ということになり、エピペンの携帯が必須となりました。

幼稚園や友達の家への訪問には、必ずエピペンと薬を入れたリュックサックを持参。

また、家族だけでなく幼稚園の先生方にも緊急時にはエピペンを使ってもらうことになります。

練習用のダミーエピペンを入手し、先生方にレクチャーをしました。

義父母はもちろん、お友達のママたちにも使い方を理解してもらった上で、遊びに行かせてもらうようになりました。

食べてはいけないものが意外と多い

パン屋さんやカフェで食べるものなどでも、必ず内容物を確認

レジで毎度確認の手間を取らせることになるので、理解のある特定のカフェでのみ、ケーキを食べるようにもなりました。

1度、遠くの友達の家に遊びに行ったのに、リュックの中にエピペンを入れ忘れ、とんぼ返りしたことも……。

家にあったブレンドされた調味料やおやつ、サラダに入れていた松の実など、「ピーナッツの痕跡が含まれる」と表示があるものは軒並み処分しました。

アイス屋さんでは、フルーツ系とビターチョコ以外のアイスは基本的にダメ

市販のバニラアイスであっても、多くの商品に「ピーナッツの痕跡が含まれる」。

レストランのアイスも口にできませんでした。



2023年の夏ごろに病院を見つける

幼稚園での給食や、お友達の家での食事、外食時の不安などピーナッツアレルギーひとつでかなりのストレスを受けてきました。

なんとかならないのかと情報を漁りまくっていたある日のことです。

義母が州内にある大きな病院でピーナッツアレルギーの治療研究をしているとの情報を見つけました。

小児科を介さず、早速翌日に直接問い合わせの電話。

とりあえず話を聞きます、と言ってもらい、予約が取れたのが2ヶ月後。

娘がアレルギー症状を見せた最初の頃や、幼稚園のおやつきっかけでの嘔吐を詳しく説明しました。

さらに、全身真っ赤な状態になっている娘の写真も提示。

そして採血をすると、ここでもピーナッツアレルギーの診断がおりました。

医師は「重度のピーナッツアレルギーではあるものの、試してみる価値はある」と経口免疫療法を勧めてくれました。

小児科の主任医師がアレルギーの専門医でもあるその病院では、まだその時点でのピーナッツ療法は研究段階であったそう。

それでも快方に向かう可能性は十分にあると言われ、さらにその2ヶ月後から治療開始となりました。



2023年秋から治療開始

ピーナッツのプロテインを粉状にしたものが、経口免疫療法のモトです。

ヨーグルトやピューレなど、とろみのある物に混ぜて、1日1回決まった時間に摂取

自宅での初めての摂取は3mg。

そして2週間ごとに量を増やし、Maxが300mgになると、維持期間となります。

しかし、まずは入院して本当に経口免疫療法をしてもよいのか確認が必要です。

娘は11月の上旬に、医師の指導と観察のため2日間入院しました。

初日は体調確認のため、摂取はなし。

翌日から、経口接種による治療開始。

まず0,5mg、そして問題なさそうなら数時間後に1,0mg。

さらに何度かにわけて初日は合計で12mgを摂取しました。

この日は午後から腹痛を訴え、数時間ほどお昼寝をしました。

それでも、順調の部類に入るそうで、翌日にも少し薬を摂取。

そして、医師から「このまま自宅で毎日食べさせてもよい」とお墨付きをもらいました。

ここから、いよいよ経口免疫療法がスタートです。

小児クリニックとの連携

ピーナッツの免疫療法は、どこでも治療可能なわけではありません。

我が家の場合は自力で病院を調べ、主任医師との面接までしました。

ですが、ドイツの保険の事情により、病院で治療するには、小児クリニックからの紹介状が必要です。

もちろん、最初の入院にも紹介状が必要なので、小児クリニックに話をしに行きました。

我が家の子どもたちがお世話になっている小児クリニックの担当医もアレルギーの専門医です。

しかし、ピーナッツの免疫療法について聞いたのは初めてだったそう。

病院の主任医師もわざわざ小児クリニックに電話をして事情説明をしてくれました。

小児クリニックの担当医は、「アレルギー専門医同士の興味深い話ができた」と言っていました。

治療の初期段階では、2週間に1度、薬の容量が増えるのに伴って病院に行きます。

また、保険システムにより、小児クリニックの紹介状は病院に1度提出すればよいのではなく、3ヶ月ごとに必要。

そのため、3ヶ月ごとに小児科に行って、紹介状を作成してもらうことになります。



薬局との連携

娘のピーナッツアレルギーの経口免疫療法に使われる薬は、Palforziaというもの。

花粉症の免疫療法などでは、大抵の場合は自分たちで薬局に行き、手配してもらいます。

この場合、数日から数週間取り寄せに日数はかかりますが、どの薬局でも受け付けてもらえます。

しかし、Palforziaは決まった薬局でしか入手できません。

ピーナッツアレルギーの経口免疫療法が比較的新しい治療法だからでしょうか。

薬局から製薬会社に申請書を出してもらい、許可がおりた薬局でのみ、薬が取り扱われるという感じ。

大きな薬局では薬剤師の数も多く、毎回Palforziaの手配について説明が必要になるかもしれません。

そこで、私たちはこぢんまりした薬局に申請をお願いしました。

それでも、前回と違う薬剤師に処方箋を出すと「この薬は取り扱いできないものなんだけど…」と何度か言われたこともあります。

そのたびに、「こちらは許可されている薬局です。すでに何度か手配をしてもらっているので、大丈夫です」と説明が必要でした。

今では、5人ほど在籍している薬剤師の方たちがみんな、薬の手配をすんなりしてくれるようになりました。

さらに、娘の治療の進捗状況も気にかけてくれているので、ありがたいです。

治療開始半年で得た効果

粉末の量が300mgとなり、脱感作のための維持期間に入りました。

主任医師からは、量的にも、「ピーナッツの痕跡がある可能性」レベルの食べ物なら問題なく食べられると言ってもらえました。

また、エピペンを持ち歩く必要もない、と。

一応、小児科の担当医にも確認しましたが、こちらでもエピペン不要とのお言葉。

娘は「いままで食べられなかったアイスが食べられる!」と早速アイス屋さんに行くことを希望しました。

もちろん、遠出をする時や旅行に行く時などは、アレルギー用の飲み薬を持ち歩きます

それでも、幼稚園や友達の家などにエピペンを持って行かなくていいのは、大きなストレス減になりました。

まだまだ我慢の日々は続く

Palforziaを使った治療期間は、2年です。

摂取量が300mgになったことで維持期間に入ったとはいえ、残りは1年。

この先もまだまだ決まった時間に薬を飲み続けないといけません。

摂取の前後2時間は激しいスポーツ厳禁なので、友達と走り回るにも制限があります。

せっかく友達と公園に行っても、「走らないで!」と止めたことも多々。

その度に悲しそうな顔をする娘は、何度も「どうして自分だけ!」と泣き喚くこともありました。

残念ながら、飲んだ後の1時間は要観察状態になります。

そのため、寝る寸前に飲ませるという方法は取れません。

時間のやりくりを気にせずに友達と遊ぶには、まだ時間がかかります。

いまだに薬の時間になると逃げ回ることもあります。

しかし、頑張ってきた分だけ成果が出ていることは娘も理解しています。

頑張れば報われると信じて

ピーナッツアレルギーだと知らなかった時には、娘がアイス屋さんのアイスを食べて体調を崩したら、「寒暖差で疲れたかな」と考えていました。

それまで元気に遊んでいたのに、アイスを食べた途端にぐずり出し、吐くこともありました。

それでも、まさかアイスに含まれる少量のピーナッツが原因でこうなっているなんて思ってもいなかったんです。

しかし、ピーナッツアレルギーの診断が降りてからずっと我慢してきたアイスを、現在は食べられるようにまでなっています。

毎日食べる薬は美味しくないけど、今辞めたらまた前みたいに我慢ばっかりすることになる。

そのことをわかっているので、娘もあと1年の我慢を続けると言ってくれました。

治療からの解放を目指して、家族みんなで頑張ります!



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