息子7歳、先日6本目の乳歯が抜けました(正確には歯医者さんで抜いた)。
ドイツでは、抜けた歯を枕の下に入れておくと、夜に歯の妖精(Zahnfee)が来て、歯と小さな宝物を交換してくれます。
翌朝は、その宝物を子どもが見つけ、喜ぶという図式。
とは言え、私は抜けた歯はさっさと回収したい。なぜなら枕の下なんかに入れてたら、いつのまにか紛失してしまうから。
そのため、我が家は歯医者さんで抜いてもらった歯は私がそのまま預かり、夜に子どもの枕の下に何かしら喜びそうなものを突っ込んでおく方式です。
日本も最近は乳歯ケースに保管パターン
四十路の私が子どもだった頃、乳歯は外に投げていました。
上の歯が抜けたら下向きに、下の歯が抜けたら上向きに。
しかし、いつの頃からか日本でも乳歯を保管する親が増えはじめましたね。
生活環境が変わってきたからでしょうか。
それに伴って、さまざまな形の乳歯ケースが売られるようになりました。
ハイテンション妊婦が出産祝いにリクエストしたもの
息子が生まれた時、姉から出産祝いの希望を聞かれ、迷わず「おいたちの小箱」をリクエストしました。
乳歯を並べて入れられたり、臍の緒を入れられたり、子どもの成長の記念を大切にするために。
娘が生まれた時も、姉は同じものをくれました。
最初にその箱へ入れたのは、子どもが産まれてすぐ病院でつけられた名前入りのブレスレット。
そして、その後は臍の緒です。この後しばらくはその箱の出番はありません。
6年経ち、息子の乳歯が初めて抜けた時、ひさしぶりにその箱を取り出しました。
初めて抜けた息子の乳歯。小さくてとてもかわいい乳歯。私はそれを大事に箱へしまいました。これから少しずつ時間をかけて並んでいくのを想像しながら…。
現実を見て、将来を考える
何本目かの歯が抜けたある日、私たち家族は夫の実家へ行っていました。
息子の歯の話になった時、義母が席をたちました。そしてリビングの引き出しを開けて彼女が取り出したものは、
親指大よりもわずかに大きな、まるで骨壷のような小さな陶器の入れ物。
小さなふたを開けて、彼女は中のものをパラパラとテーブルに広げます。
それは、夫の乳歯でした。
「これは前歯、これは犬歯ね。これは、奥歯ね」などと言いながら、彼女は乳歯を並べていきます。
私の隣に座る「夫の口から30数年以上前に抜けたもの」が目の前に並ぶのです。
なかなかアレな光景です。
30年後の自分を想像してみた
その時、私はふと思いました。
義母はこの乳歯をこれからどうするつもりなのだろうか。
まさか譲り受けるような羽目にならないだろうか。
そもそも、どうして私は息子の乳歯を集めているのだろうか。
もしかすると30数年後、私は息子の奥さんに息子の乳歯を並べて見せているのだろうか。
こう考え出すと、他のことも気になります。
高いお金払って息子の胎毛筆作ったけど、最終的にあれはどうなるの?(娘の分は、切った髪を日本に持っていき忘れたので、まだ筆に仕損なっています)
臍の緒も残してるけど、あれの最後はどうするの?
息子の歯はすでに6本も保管してしまっているので、今更続きを集めないわけには行かない気もしてしまいます。
何と言っても、せっかく姉からもらった出産祝い。
無駄にするわけにはいきません。
そこで、乳歯を集めた先のことを調べてみました。
乳歯をアクセサリーにして纏う
乳歯を検索ワードに入れていろいろ見ていると「乳歯 アクセサリー」が出てきました。
見てみると、とてもおしゃれに加工されていました。乳歯でできているとは思えない見た目です。
これなら、黙ってさえいれば息子の将来の奥さんに気持ち悪がられることもないはず!
いや、むしろこれは息子の歯なんだから息子用に加工して、本人にプレゼントするのがよいのでしょうか。
息子の歯が抜けるたびにこんなことに悶々とする日々です。
いずれ娘の歯が抜けた時も、同じように悩むのでしょう(それでも、出産祝いでそれ用の箱をもらった以上、集めないわけにはいかない)。
集めた乳歯をどうするか問題は結局未解決
かわいい子どもが生まれて、あれもこれも大切な思い出にしたいとお思いの人へ。
臍の緒も、胎毛筆も、乳歯も、何十年後かにどうするかおおまかなビジョンはできていますか。なんでもかんでも取っておこうと思っていませんか。
乳歯は昔のように外に投げ、子どもには枕の下に何かしらプレゼントを入れておく、日独ミックス方式にするのが無難ではないでしょうか。
しかし、私はすでに姉からもらった「おいたちの小箱」があります。
「おいたちの小箱」は、いずれ私が死ぬ時に一緒に棺桶に入れてもらおうかと思います。
ちなみに、乳歯には貴重な幹細胞が含まれているそうです。
きちんと歯医者さんで抜歯して適切な処置をされた乳歯は、バイオバンクなどでの保管を依頼することもできるそう。
将来子どもが遺伝子疾患などの重篤な病気になった時に役立つこともあるのだとか。
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