このブログですでに2件の記事がありますが、今回もドイツでの言語療法(ロゴペディ)の話です。
5歳前から言語療法に通っていた息子ですが、1年たたずにコロナの影響で自主卒業。
しかし、その後も普段の会話の中で、ドイツ語のSchの発音を義父母や夫に矯正されることがありました。
さて、このまま放っておくかどうかと考えていた矢先。
息子に少しずつ吃音のような症状が出てきました。
特に日本語(たまにドイツ語)で一生懸命何かを説明しようとしている時です。
息子は自主卒業しましたが、娘は入れ替わりに通院中。
そこで、娘をロゴペディに連れていくついでに、言語聴覚士の先生に相談することにしました。
今回の記事は、こちらの続編です。
娘の枠を使って息子の発音チェック
子どもが言語療法に通うには、小児科や耳鼻科での検診をきっかけとしてロゴペディを紹介されます。
なので、初回から診断書(兼処方箋)なしで言語聴覚士のセラピー枠を取れることはまずありません。
息子の場合は、小児科での7歳検診は問題なし。
言語療法を再度受けるようには言われませんでした。
それでも義父母や夫から”sch”の発音を指摘されることを、娘を担当する言語聴覚士の先生に相談しました。
すると先生は、娘の時間を1回だけ使って、息子の発音チェックをしましょうと提案してくれました。
発音チェック後の面談
息子と先生の1対1の会話が一通り終わり、外で待機していた私(と娘)が部屋へ呼ばれました。
先生が診たところ、確かにschの発音に弱さはあるけれど、家で練習できるレベルとのこと。
妹ちゃんもschの練習してるから、家で一緒にしたらどう?
いやです。おらはここにきます。
でも学校終わってからだと通うのしんどいよ?
ロゴペディは楽しいからしんどくない。
待機リストに載せるけど、いつ枠があくかわからないよ?
それでもいいです。おらはここにきます。
息子、ロゴペディ大好き問題!!
前に通っていた頃の楽しかった記憶が忘れらない様子。
この日は、言語セラピーの枠が空く日を待つ、ということで帰路につきました。
約1ヶ月後、枠が空いたと連絡がきた
午後は小学生や大人が集中するとのことで、なかなか枠があかないと言われてました。
が、ラッキーなことにちょうど新学年が始まる時期なのもあり、ロゴペディにも卒業生がいたようです。
8月の2週目からセラピーが開始できるので、7月末を過ぎてから小児科で診断書をもらってください、と言われました。
小児科で発行される診断書(兼処方箋)は有効期限2週間。
なので、あまり早くもらっても、期限をすぎると再発行してもらうことになるんです。
そして7月中ばころに7月末の小児科の予約を取ろうと電話をしたら、小児科医はバカンス中。
結局ロゴペディのセラピー開始を待ってもらって、小児科での発音チェック→診断書発行をしてもらいました。
小児科での発音チェック
どうしてもロゴペディに行きたい息子。
小児科へ行く道中にこんなことを言い出しました。
おらねぇ、ロゴペディに絶対行けるように、しゃべるの下手にする。
えっ!?
あかんで!
ロゴペディの先生の前でも下手にしゃべる。ずっと通いたいもん。
あかんて!!
ロゴペディは本当に通わなあかん人が行くところ!
楽しく学ぶのはいいけど、遊ぶところじゃないの。
……。
そして小児科へ付き、診察室へ入ります。
まもなく小児科医登場。
今日はどうしたのかな?
話すのがちょっと上手くないのでロゴペディに行きたいです。
ロゴペディの先生にも一度相談したんですが、あと少しだけschの矯正をした方がいいそうで。
おら、ちょっと上手くしゃべれないので。
(息子の服を見て)あ、ポケモンの服だね。それなんていうやつ?
これはミュウツーで、ペラペーラペラペーラ。
うんうん、ほかにはどんなのがいるの?
ペラペーラ、ペラペーラ、ペラペラペーラ。
きみの発音、問題ないよ?
……いいえ、おらは上手く話せないのでロゴペディに行きます(断言)。
笑。わかったよ、多分すぐ終了するだろうけど、処方箋渡すよ。
なんかすみません、先生。
とりあえず45分のセラピー10回分の処方箋を手に入れました。
息子の言語療法再開、初日のようす
息子を担当してくれる言語療法の先生は、娘とは違う先生でした。
20代半ばの、穏やかそうな男性の先生です。
初日は、息子のセラピーを始めるにあたって、親からの情報が集められます。
親への聞き取り
聞かれたのは、
- 妊娠中に問題はなかったか
- 自然分娩だったか帝王切開だったか
- 母乳育児をしていたか、いつまでだったか
- おしゃぶりをしていたか、いつまでだったか
- ハイハイや歩き出した時期
- 発語の時期
- 人との関わり方
- 持病や病歴(中耳炎含む)
- メガネや補聴器使用の有無
- 家庭内での使用言語
ぐらいかな。
ハイハイとか発語とか、私は物忘れが激しいタイプなので正直覚えてません……。
息子の性格とか気になること(傾向)も聞かれました。
私と先生のやりとりの間は、息子は横でLEGOに夢中になって遊んでいました。
息子の発音チェック
続いて、先生は分厚いファイルとチェック表を取り出しました。
ファイルの中には、絵が描かれた紙が大量にありました。
それを1枚1枚めくり、これはなんという?と質問していきます。
Schnee、Sonne、Brille、Tante……。
躓きやすい発音の”sch”、”s”、”r”、”t”などを含むたくさんの言葉を息子から引き出しています。
先生の手元を見ると、「✔️」のマークがずらり。
これは、すべてきちんと発音できているというマークでは???
発音チェックの結果
とても上手に発音できてるよ。よく聞くとたまにschが弱くなるけど、すぐ矯正できそう。
ドイツ語の発音は、やはり小児科の先生の見立てどおり(ほぼ)問題なし。
娘の担当の先生にチェックしてもらった時と比べても、数ヶ月たった現在、自分で自然に習得できてる感じです。
おらは、ここに来たいです。
息子、まだ言う!!笑
うん、来週から来てもらうよ。でも、10回で終了できると思うよ。
ここで、私はもっと気になっていることを先生に言ってみました。
それが、(特に)日本語で何かを説明したい時に出る吃音。
説明、と言っても息子が知識として知っていることを話す時には出ないんです。
学校でどんなことがあって、どう思って、何をしたか、など自分の直近の経験・体験を詳しく話したい時に出る感じです。
また、日本語に比較するととてもわずかですが、まれにドイツ語の時にも出ることがあります。
そうなんですね。息子くんとの会話で、少し説明してもらう機会も作っていきますね。
ロゴペディ、楽し過ぎ問題
帰り道に、「多分10回のセラピーで終わりそうだね」というと、息子はとっても不満顔。
ゲームをしながら発音矯正をできるのはもちろん、息子がクイズに正解したりゲームに勝ったりするたびに「素晴らしい!」「よくできた!」と言われるので、成功体験爆積み。
楽しいわ、褒められるわ、そしていっぱい話を聞いてもらえるわ……。
ロゴペディが苦手・嫌いという子なんて聞いたことありません。
息子が自分で勝ち取ったとも言えるロゴペディ再開。
行ける間は一生懸命楽しみながら頑張ってもらって、上手に発音や会話ができるようになりますように。
最後に、多言語環境で日本語習得をする子どもたちへのヒントとして、こんな記事を見つけました。
http://www.jamsnet.de/kotobagake_kato_sensei.pdf
折に触れて読み返したいと思います。
追記(2023年9月)
ロゴペディを再開して5回のセラピーが終了。
言語聴覚士の先生が言うには、セラピー中には発音に問題は見られなくなっているとのこと。
吃音も全くない状態だそう。
小児科医からもらったセラピーの処方箋はセラピー開始から7ヶ月有効なので、年内は一旦小休止することにしました。
あと5回は処方箋が有効なので、気になることがあればまたこちらからお願いする形になりました。
今のところは娘がまだ同じロゴペディに通っているので、何かあれば再再開することになりそうです。
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