ドイツで言語療法に通う(その後〜現在:わずかに吃音が出る)

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ドイツで子育て

7歳の息子ですが、実は吃音が出ることがあります。

今回は、前回の「ドイツで言語療法に通う」(現在に続く)後日談です。

普段はとても流暢にドイツ語と日本語を話す我が家の子どもたち。

しかし、ある日息子が私に懸命になにかを話す中、彼が言葉を紡ごうことする冒頭でいつも「ん、ん、んー」と言葉に詰まっていることに気づきました。

はい、ピンときました。「これは、バイリンガルの子どもによくあると言われている吃音だ」と。

ドイツでの幼稚園生活

ドイツでの幼稚園生活
4年も幼稚園にいるとようやく慣れてきた

息子は3歳になる前から幼稚園に通い始め、6歳までの4年間在籍していました。

彼は幼稚園ではクラスメイトと会話をするタイプの子どもではありません。

1人で石や枝を集めたり、虫を観察しているのが好きな子でした(今もですが)

ドイツでは日本で言う早生まれの子どもは[Kann-Kind]と定義され、小学校へ上がるのを1年遅らせることができます。
その場合は、幼稚園では年中クラスを2回することになりますね(州によって学校システムは異なり、早生まれに該当する時期も違います)

ドイツの幼稚園は縦割りなので、1クラスに年少・年中・年長の子どもの全てがいます。そして3年間、同じクラスで(しかも息子のところは幼稚園自体2クラスしかない小さなところ)上の子が下の子を見ながら遊びます。

最初は人と交流しない子だったとはいえ4年間在籍するのですから、最後の1年弱はそれなりにクラスメイトと話したり一緒に遊んだりするようになりました。

ドイツ語会話の機会が増えたら日本語に吃音が出てきた

ドイツ語会話の機会が増えたら日本語に吃音が出てきた
年長ごろから吃音が出るように

息子が幼稚園で年少〜年中〜年中〜年長の4年過ごすうち、ロゴペディに通っていたのは年中クラスから年長クラスにいる時期でした。

年長クラスの途中でロゴペディをやめたのですが、この時期には息子のドイツ語の発音にばかり気を取られていました。

幼稚園にようやく馴染んで(遅いっ笑)クラスメイトとドイツ語でいっぱい話すようになったころ、家で話す日本語に変化が…

言葉が出てこない時間が長くなってきた

吃音が出始めたころは、「ママ、あ、あ、あ、あのね、ママ」と言う感じ。

その頃は単純に「ドイツ語と日本語の切り替えが難しいのかな」と思っていました。

よく観察してみると、幼稚園での出来事を日本語で詳しく説明したい時に出てくるようでした。

妹と遊んだり喧嘩したりしている時に吃音が出ることはありませんでしたね。

日本滞在中に吃音が出ることはなかった

日本滞在中に吃音が出ることはなかった
4年ぶりの一時帰国

そして2022年春、日本へ4週間の一時帰国をします。

私の実家に滞在し、息子は四六時中日本語のシャワーを浴びました。

ドイツではあまり使う機会のなかった日本語を、日本では知らない人にも使えることに喜びを感じていました。

目から入る日本語の文字と、どこにいても聞こえる日本語の音。

その環境にどっぷりと使っていた息子に、吃音が出ることはありませんでした

ドイツに戻ったら吃音がまた出てきた

ドイツに戻ったら吃音がまた出てきた
ドイツ語で話す時間が増えるほど、弱くなる日本語

4週間の日本滞在を終え、ドイツでの幼稚園生活が再開しました。

すると、想像していたことですが、やはり吃音も出るようになっていました

そして夏休みが過ぎるといよいよ小学校入学。

朝7時55分から授業が始まり、学童を終えるのが14時。

人見知りな彼にもわずかながら友達ができ、周囲をドイツ語のみに囲まれる時間が増えました

家に帰ってくると、私はその日の出来事を聞きます。

お弁当全部食べられた?

今日の授業はどんなことしたの?

休み時間は何してた?

とても簡単な質問なのですが、それらに答える時にも吃音が出てくるようになりました。

聞いていると、やはり、どうしても私に伝えたいことがある時に吃音が出る感じです。

でも不思議なことに、彼が嘘をついたりごまかそうとしてる時は、とても流暢に話すんですよね。

吃音が出ていても指摘せずに、話だけを聞く

吃音が出ていても指摘せずに、話だけを聞く
このブログにたびたび登場するHNOのお医者さん(イメージ)

息子の吃音に気づいた時には、彼はロゴペディ通いを終了していました

とはいえ、ドイツ語環境にいる息子がドイツ語を話す時には吃音が出ないので、ドイツでロゴペディに通ったところで改善できるものでもないのかなと思っています。

そこで、頼りになるのはHNO(耳鼻咽喉科)のお医者さん。私が月に1度通院する時に、流れで息子の吃音について聞いてみました。

HNO医師
HNO医師

彼の中でドイツ語の比重が大きくなってきている時期で、これからもドイツで生活するからには比重がそうなるのは仕方がない。日本語への切り替えは無意識にしているようでも、少し難しくなっているのかも。

それでも、吃音は指摘せずに、彼が話している内容に集中して会話を続けてあげて。

吃音は成長すれば消えることがほとんど、とも言われました。そして、息子に吃音が出ていることを指摘したり、早く話すように急かしたりはしないこと、とも。

息子も自分の中でドイツ語が強くなっていると自覚している

息子も自分の中でドイツ語が強くなっていると自覚している
夢の中にまた出してもらうにはどうしたらいいんでしょう?

吃音のことを指摘せずに、息子に軽く聞いてみました

私

ねえ、最近さ、夢を見ている時って何語で見てるの?

息子
息子

最近かぁ、ドイツ語だねぇ。夢に出てくる友達もモンスターも、変な奴らもドイツ語だし。

私

私は?私が夢に出てきても、ドイツ語喋ってるの?

息子
息子

あ!そういえば最近ママが夢に出てこないよ!前はいっぱい出てきたのに!最近出てこないから日本語の夢を見てないよ!

ええーっっっ!!日本語の存在感とともに私の存在感も消えてる!!

横でそれを聞いてた娘があたしは日本語の夢しか見ないよ!」と言ってましたが、それも時間の問題なんでしょうね。

計算をする時は無意識に日本語を使う

計算をする時は無意識に日本語を使う
頭の中は大忙し

息子は毎日スマイルゼミをしているのですが、足し算や引き算を教え始めたのは学校の授業で教わるより早く、計算をするときは今も日本語で声に出ています。

息子
息子

計算をするのは日本語のほうが楽なんだよ。ドイツ語の数字の言い方なんかややこしいし。学校でも頭の中で日本語で計算をし終わってから、口に出す時にドイツ語に直すのがめんどくさい。

まるっきりドイツ語に浸らせてあげれば息子も少しは楽ができるんでしょう。しかし、日本語の計算を先に覚えた以上、彼の脳みそはそちらを無視してくれないようです。

紙に書いて計算していくのなら早いのですが、口頭でドイツ語で聞かれると、頭の中で日本語に直して計算、そしてドイツ語に直して返答、という作業に少し疲れるんだとか。

良かれと思って早めに数字や計算を教えていたのですが、こと暗算で口頭で返事をするとなると大変そうです。

子どもたちが学んでいるのは日本語であって、国語ではない

子どもたちが学んでいるのは日本語であって、国語ではない
日本語を学ぶのが苦痛にならないように。それを願うばかり

日本で生まれ育って国語を学んだ私と、ドイツで生まれ育って日本語を学ぶ彼ら

日本語の習得のスピードやレベルが同じようにいくわけがないと思っています。

我が家は子どもたちにスマイルゼミで日本語教育をしています。しかし、彼らが完璧に漢字を書いたり、筆順を覚えたりする必要はないと考えています。現在はPCで漢字変換ができるのですから、「使いたいのはこの漢字」という選択ができるレベルでよいと楽観しています。

日本での一時帰国では、街中にあふれる日本語の看板を必死で目で追っては読んでいました

毎日コツコツしている日本語の勉強の成果が本場(?)日本で体感できたのは、自信とこれからのモチベーションにもつながりました。

これからも毎日日本語は学んでいくのですが、日本語を話したり読んだりするのが苦しくならないように、ゆっくりと親しんでもらいたいです。



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