ドイツの小学校、JeKitsで音楽文化に親しむ

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JeKiアイキャッチ ドイツで子育て

ドイツの小学校、と大きなくくりでタイトルをつけていますが、NRW州の話です。

JeKiはもともと、ボーフムで始められた音楽プログラム。

今ではNRW州の多くの小学校に取り入れられています。

ほかの州でも取り組みがあるかもしれませんね。

「Jedem Kind ein Instrument」を略してJeKi

「それぞれの子どもに1つの楽器を」という意味ですね。

このJekiは、ダンスと歌を合わせてJeKitsと言われることもあります。

小学1年生の時間割から登場する、このJeKits。

Musicの授業とはまた別のコマが割り当てられています。

さて、JeKitsって一体なんでしょう。

1年生はさまざまな楽器に触れる

息子が小学1年生になった時、JeKiという言葉が時間割に出てきました。

息子が通う小学校ではダンスや歌の選択はありませんので、この記事ではJeKiにフォーカスを当てています。

JeKiとは、聞くところ、どうやら音楽の授業らしい(でもMusikの授業は別にある)。

そもそもあまり理解していなかったので、授業がある日は学校から帰ってきた息子に毎回聞いていました。

JeKiの授業では、カスタネットやハンドベルを実際に鳴らしたり、バイオリンやフルート、ピアノなどの音を聞いていたりしたとか。

1年生のJeKiは、いろいろな楽器があること、それぞれの楽器の素晴らしさや楽しさに触れるのが目的です。

そこから、楽器に親しむ気持ちを作っていくんですね。

2年生からは1人1楽器

無料で貸し出しされたサックス

2年生になると、JeKiでは実際に楽器を演奏することをしていきます。

1年生とは違い、2年生のJeKiは授業に組み込まれていません

2年生になると、JeKiは参加自由で有料になります

1年生の終わり頃に、JeKi参加の意志確認がされます。

弦楽器、管楽器、鍵盤楽器あるいは打楽器。

これら楽器の種類は、学校が選択しています。

生徒には選択可能な楽器が提示され、そこから希望の楽器を1から3まで選びます。

学校によっては、楽器の演奏ではなくダンスあるいは歌になることも。

息子の学校には管楽器の括りがありました。

用意されている選択肢はフルート、リコーダー、トランペット、クラリネット、サックス。

リコーダーは、私たちが日本の学校で習っていたあの縦笛です。

それがフルートやサックスと並んでいるのですから、なんだか不思議……。

息子はサックスを選びました



楽器のリースは無料、レッスンは有料

引用:JeKits

各小学校がJeKitsの中からどのプログラムを選ぶのか決めます

t(ダンス)あるいは、s(歌)を学校が選んでいた場合、楽器のリースはありません

i(楽器)の場合のみ、レッスンで使う楽器を無料で借りることになります。

生徒が自分の希望する楽器を伝えしばらくすると、割り振られる楽器の決定が書面で届きます。

楽器は、2年生の授業が始まるまでの決まった期間(夏休み期間の数日)に、指定の場所で受け取りをします。

受け取りにはサインをするのみ。

このとき受け取った楽器を、JeKiの授業のたびに持参します。

気になるレッスン料金は?

気になるレッスン料金は?

JeKiのレッスンは、週に2回

さまざまな楽器と一緒に演奏するアンサンブルレッスンと、担当楽器のみで練習するレッスンです。

1年生のときは全員参加で完全無料ですが、2年生からは費用が発生します。

2年生は毎月26ユーロ、3〜4年生は毎月35ユーロです。

調べたところ、ダンスは毎月19ユーロ(週1回)、歌は毎月13,50ユーロ(週1〜2回)

楽器・ダンス・歌のどのレッスンでも、講師はプロなのでこの価格はとてもお得ですね。

費用がネックで参加できない、という家庭の子には、レッスン料免除の措置があります。

JeKitsは州の音楽振興プログラムが主体となっており、2年生以降は全員参加の強制はなし

1年生は、授業の一部になっているので、参加必須(&無料)です。

JeKiのいいところ&課題など

さすが音楽の国、なだけあって音楽への力の入れ方はすごいですね。

でも、実際のところは小学生でJeKiのプログラムを終了してから、選択した楽器を続ける子どもはそれほど多くないようです。

音楽に触れる機会を与える、という意味での意義は確かに大きい。

しかし、楽器を続けていこうとすると、小学生でなくなってからは費用や時間の捻出が難しくなるようです。

また、小学校によっては楽器でなくダンスや歌、というところもあるため、「なんらかの楽器に触れさせたかった」、という親の希望が叶わないこともあります。

1人で演奏はしてみたいけど、大勢の人と踊ったり歌ったりするのは苦手という子(うちの息子です)に提示されるプログラムがダンスのみ、ということも

楽器のレッスンは5〜6人のグループに1人の講師、という形です。

そして週に1度はさまざまな楽器のグループが集まって、アンサンブルのレッスンもします。

つまり、ある程度の規模の学校でないと楽器ごとのグループが作れず、アンサンブルのレッスンもできないのです。

そのため、小規模の学校の場合はダンスや歌を選んでいるようです。

一方で、息子が通う小学校のように大きな規模の学校の場合は、第1希望の楽器にならないことも。

全ての人が満足するようには行かないですね。

JeKits参加は、習い事が増えた感覚

サックスを背負う息子。楽しんでおいで!!

学校にもよりますが、ほとんどの場合JeKitsは学校の敷地内でおこなわれます。

州と学校が協力して提供されるJeKitsですが、参加は自由。

レッスンは、学童に行っている子どもがその時間帯に参加できるようになっています。

「JeKitsに参加させたいけれど場所が遠いから参加できない」

「仕事中なのでレッスン場所に送って行けない」

ということもあまりありません。

送迎する人の負担や、それが原因での不参加にもならないようになっているのですね。

私の息子は今日が初めての専門楽器を使ったJeKiアンサンブル。

サックスの組み立て方も吹き方もわからないところからのスタートです。

音楽を文字通り楽しんでくれるといいな、と思います。



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